カルシウムには骨軟化症・骨粗鬆症を防ぐ、コレステロールを下げる、高血圧を抑制する、イライラを防ぐ、月経痛を和らげる、ガンを予防するなど様々な効果があります。
カルシウム(Ca)を含む主な食品としては、小魚、乳製品、ゴマなどです。
■不足すると骨はスカスカ…
カルシウムは丈夫な骨と歯をつくるために必要なミネラル。成長期の子供や妊婦・授乳婦は、特にカルシウムを多く必要とします。
カルシウム不足の状態が続くと、骨や歯からカルシウムが溶け出してしまうので、成長期だと歯の質が低下し、あごの骨の発育が悪くなってしまいます。骨の質が悪くなることで、腰痛や肩こり、ひいては骨がスカスカになってもろくなる骨粗鬆症にもなりかねません。特に女性は閉経後に骨粗鬆症の発症率が急上昇するので、若いうちから積極的に摂取するようにしましょう。
カルシウムは単独で摂るよりも、ビタミンDやマグネシウムを併せて摂取すると、体内で吸収されやすくなり、丈夫な骨や歯を作るのに役立ちます。
■基本は牛乳・小魚です
牛乳に含まれるカルシウムは吸収率が高く、たんぱく質やビタミンA・B2など、カルシウムの効果を高める栄養素も含まれているからです。また、骨ごと食べられる小魚は、カルシウムの宝庫です。日本人に不足しがちなカルシウムを少量ずつでも毎日摂取するよう心がけましょう。
+カルシウム(mg)成人1日あたりの目標量 男性:600~650mg 女性:600mg
*目標量…生活習慣病一次予防のために現在の日本人が当面の目標とすべき摂取量。
骨粗鬆症の予防のためには毎日800mg以上のカルシウムが必要
カルシウムは便や尿として少しずつ排泄されているため、食事で補っていなければなりません。
厚生労働省は日本人のカルシウムの必要量を1日700mg(*)と定めています。これはあくまでも最低限であって、骨粗鬆症を予防しようとするなら1日800mgは必要です。(欧米では1200mg以上の摂取が推奨されています。)
日本人が実際に摂取しているカルシウムの量は2000年の調査でも1日550mg程にとどまっていて、すべての世代で厚生労働省の定める最低限の必要量700mgすら満たしていません。
カルシウムは日本人に不足している最も重要な栄養素なのです。
カルシウム摂取の許容量の上限は2300mg/日で、日本人の通常の食事では過剰になることはまずありません。
牛乳・乳製品はカルシウム摂取に最適な食品
牛乳、乳製品はカルシウムの含有量が多いだけでなく、カルシウムの吸収率がもっとも高い食品です。(吸収率 約40%)
乳製品の摂取量が少ないことが、日本人のカルシウム摂取が不足する一因とされています。(魚や大豆製品など、乳製品以外の食品からは日本人は欧米人よりはるかに多くのカルシウムをとっています。)
乳製品なしでは、日本人の一般的な食事で摂取できるカルシウムは1日200~400mgほどです。これに牛乳1本を加えるとさらに200mg補給することができますが、これでもまだ骨粗鬆症の予防・治療に必要な分は確保できません。
ヨーグルト、チーズなど他の乳製品も積極的にとるようにしてください。
食品によるカルシウムの吸収率のちがい
牛乳・乳製品 ⇒ もっとも吸収率がよい
大豆製品 ⇒ 吸収率がよい
魚 普通
野菜・海草 ⇒ あまり吸収率がよくない
豆腐などの大豆製品も優れたカルシウム食品
豆腐などの大豆製品は、乳製品に次いでカルシウムの吸収率の良い食品です。さらに、女性ホルモンに似た働きをする「大豆イソフラボン」を含み、骨粗鬆症や更年期障害などに効果があります。
少し大きめの木綿豆腐半丁や厚揚げ半丁は、コップ1杯の牛乳やヨーグルトに匹敵するカルシウムを含んでいます。
牛乳を飲むと下痢になる人や、高コレステロールや肥満が問題になる人に限らず、毎日の食事に大豆製品を積極的に取り入れてください。
骨ごと食べる小魚、殻ごと食べる小エビが効果的
魚、エビ、カニ、イカ、タコ、貝類などの魚介類は日本人のタンパク質とカルシウムの摂取に欠かせない食品です。(牛肉、豚肉、鶏肉にはカルシウムはほとんど含まれていません。)
特に、しらす干し、めざし、田作り、みりん干しのような骨ごと食べられる小魚や桜エビは、他の魚介類の何倍ものカルシウムを含んでいます。食事の量が減っている高齢者ではこのような食品を上手に利用するとよいでしょう。
野菜・海草はいろいろな種類をたっぷり食べる
野菜や海草のカルシウム吸収率はあまり高くありません(吸収率 約19%)。小松菜や春菊のようにカルシウムを多く含む野菜もありますが、野菜だけで十分なカルシウムをとることは不可能です。
しかし野菜や海草はいろいろなビタミンや食物繊維の摂取のためにも大切な食品です。ゆでる、炒めるなど調理方法を工夫して、いろいろな種類を毎日たっぷり食べるようにしましょう。
カルシウムをほとんど含まない食品
卵は1個あたり30mgで、カルシウムが豊富な食品とはいえません。
牛・豚・鶏などの肉類、米・麦・そばなどの穀類、きのこ類や果物にはカルシウムはほとんど含まれません。
サプリメントの利用は?
牛乳やチーズが苦手な方、糖尿病や高脂血症、痛風などのため食事制限が必要な方、高齢で食が細くなっている方など、食事ではどうしても必要な量のカルシウムをとりきれないことがあります。その場合はサプリメント(補助食品)を利用することも一つの方法です。
薬局などでさまざまなカルシウムのサプリメントが市販されています。食事で不足しているカルシウムの量を計算して、必要量をサプリメントで補給します。効能にそれほど差はないので、食べやすく、価格の手頃なものを選ぶといいでしょう。
もちろん、カルシウムは食事でとることが基本であることをお忘れなく。
骨粗鬆症治療薬とカルシウム
最近、骨粗鬆症の治療薬が次々に開発され、治療に効果を上げるようになってきました。これらの治療薬は、主として骨を溶かす破骨細胞(前章『骨の話』を参照)の働きを抑えることによって骨密度を高めます。
病院で骨粗鬆症の治療を受けている人の中には、「薬を飲んでいるからそんなにカルシウムをとらなくても大丈夫」と思っている人もいるようです。しかし、骨を作る材料はあくまでもカルシウムです。カルシウムが不足していれば骨粗鬆症治療薬も効果を上げられません。
十分なカルシウムをとる工夫と努力を続けてください。
(*)「日本人の食事摂取基準(2005年版)」で従来の600mgから700mgに変更されました
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